2021年11月22日

地域経済分析システムRESASとは?使い方や活用事例をご紹介

RESAS(リーサス)って聞いたことはあるけど、具体的にどんなシステムなのかや活用の仕方が分からないという方は多いのでは無いでしょうか?

どんなに良いシステムでも、どのように使えるのかを知らなければ上手く活用することはできません。

今回は地域経済分析システムRESASとは何なのか、どのように使えば良いのかまとめました。

1.RESASとは?

RESASとは、Regional Economy (and) Society Analyzing Systemの頭文字をとって、「RESAS(リーサス)」と呼ばれています。
日本語にすると地域経済分析システムです。
地方創生のさまざまな取り組みを情報面、データ面から支援するために、経済産業省と内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)が平成27年4月21日より提供を始めました。

地域経済に関するさまざまなビッグデータを見える化されており、2021年10月時点で9つのマップに分けられています。

 

①人口マップ

②地域経済循環マップ

③産業構造マップ

④企業活動マップ

⑤消費マップ

⑥観光マップ

⑦まちづくりマップ

⑧医療・福祉マップ

⑨地方財政マップ

※この9つのマップで分かることと具体的な活用方法は次章で解説します。

 

RESASは、地域の現状をデータとして正確に把握できるシステムです。

「最近このスポットで観光客が増えている感じがするから、もう少し力を入れていこう」といったような直感的な政策は失敗してしまうことにも繋がります。

RESASを使うことによって、地域の人口動態や産業について正確に数値を把握でき、他の自治体と比べてどうかということも分かります。

2.RESASの使い方

RESASのトップページの「メインメニュー」から選択すると、以下のデータを見ることができます。

RESASには9つのマップがあり、行政でそれぞれのマップをどのように活用できるかをまとめました。

2-1.人口マップ

人口マップでは、

・人口構成

・人口増減

・人口の自然増減

・人口の社会増減

・新卒者就職・進学

・将来人口推計

・人口メッシュ

・将来人口メッシュ(施設周辺の将来人口)

などが分かります。

年齢階級別の人口ピラミッドや人口推移を折れ線グラフの形で表示してあるので、総合計画、少子化対策、インフラ整備の方向性・医療福祉政策の検討、近隣自治体との連携政策の検討などにも活用できます。

2-2.地域経済循環マップ

地域経済循環マップでは、

・地域経済循環図

・生産分析

・分配分析

・支出分析

などが分かります。

都道府県・市町村単位で、地域のお金の流れを「生産」「分配」「支出」の三段階で見える化しているので、その地域の中で付加価値の高い産業は何か、地域外からの投資を呼び込めているかなどが分かり、地域経済を好循環させていくために活用できます。

自治体SDGsビジョンや産業ビジョンの策定、ビジネス面では出店地域の特性・状況の把握などに使えるマップです。

2-3.産業構造マップ

産業構造マップは、地域産業振興における現状分析や課題の抽出、産業ビジョン策定の検討などに活用できます。

産業全体と各産業ごとにまとめられているので、自地域の経済を支える産業をしっかりと分析し、全体における割合なども見ることができます。

産業構造マップで見られる項目は以下のとおりです。

 

<全産業>

・全産業の構造

・稼ぐ力分析

・企業数

・事業所数

・従業者数(事業所単位)

・付加価値額(企業単位)

・労働生産性(企業単位)

 

<製造業>

・製造業の構造

・製造業の比較

・製造品出荷額等

 

<小売・卸売業>

・商業の構造

・商業の比較

・年間商品販売額

 

<農業>

・農業の構造

・農業産出額

・農地分析

・農業者分析

 

<林業>

・林業総収入

・山林分析

・林業者分析

 

<水産業>

・海面漁獲物等販売金額

・海面漁船・養殖面積等分析

・海面漁業者分析

・内水面漁獲物等販売金額

・内水面漁船・養殖面積等分析

・内水面漁業者分析

 

<雇用>

・一人当たり賃金

・有効求人倍率

・求人・求職者

2-4.企業活動マップ

企業活動マップには、地域の企業活動についての情報が掲載されています。

例えば、表彰、補助金採択のマップだとその地域の省エネ大賞や日本ベンチャー大賞などの賞を受賞した企業が地図上に表示されます。地域の表彰企業が一覧で表示されることによって、企業の発掘や分析に役立ちます。

また、都道府県・市町村単位で創業比率が見られるので、創業比率目標を設定したり、創業比率の高い自治体を把握して分析することもできます。

企業活動マップで見られる項目は以下のとおりです。

 

<企業情報>

・表彰、補助金採択

・創業比率

・黒字赤字企業比率

・中小・小規模企業財務比較

 

<海外取引>

・海外への企業進出動向

・輸出入取引

・企業の海外取引額分析

 

<研究開発>

・研究開発費の比較

・特許分布図

2-5.消費マップ

消費マップは、都道府県単位での飲食料品や日用品の購入金額や購入点数の商品別シェアなどが分かるので、地域の日常的な消費傾向を把握するのに役立ちます。
また、自地域の商品がどこの地域で消費されているかが地図上で確認できるので、地元産品のPR先の検討にも活用できます。

消費マップで分かるのは以下のとおりです。

 

・消費の傾向(POSデータ)

・From-to分析(POSデータ)

・外国人消費の比較(クレジットカード)

・外国人消費の構造(クレジットカード)

・外国人消費の比較(免税取引)

・外国人消費の構造(免税取引)

・キャッシュレス加盟店数(ポイント還元事業)

・キャッシュレス決済データ(ポイント還元事業)

2-6.観光マップ

観光マップでは、観光施設の検索回数をマップやランキングで把握でき、観光施設や人気スポットなどを抽出できるので観光施策に役立ちます。
どの地域からどの観光場所が検索されているかが分かるので、適切で正確なPR施策の展開に一躍買います。

観光マップで分かるのは以下のとおりです。

 

・目的地分析

・From-to分析(宿泊者)

・宿泊施設

・外国人訪問分析

・外国人滞在分析

・外国人メッシュ

・外国人入出国空港分析

・外国人移動相関分析

2-7.まちづくりマップ

まちづくりマップでは、自地域のどの市町村にどこの地域から来たのかを詳細に把握できます。
性別や年代、平日・休日別などの項目があってさまざまな属性の人がどこに滞在しているのかが分かり、人を呼び込むためのまちづくり施策に活用できます。

まちづくりマップで分かるのは以下のとおりです。

 

・From-to分析(滞在人口)

・滞在人口率

・通勤通学人口

・流動人口メッシュ

・建物利用状況

・事業所立地動向

・不動産取引

・近距離移動時間分析

・国内移動時間分析(準備中)

2-8.医療・福祉マップ

医療・福祉マップでは、病院入院患者者数や医療の需要・供給に関する指標などが把握できるので、地域医療施策に役立ちます。
データに基づいて適切な医療・介護施策を考えることは大事な役割でもあるかと思います。

 

・医療需給

・介護需給

2-9.地方財政マップ

地方財政マップでは、都道府県・市町村単位で財政力指標や実質公債費率など自治体の重要な財政指標を把握できるので、他地域と比べて自治体の財政健全度を把握できます。

地方財政マップで分かるのは以下のとおりです。

 

・自治体財政状況の比較

・一人当たり地方税

・一人当たり市町村民税法人分

・一人当たり固定資産税

3.RESASの活用事例ー北海道ニセコ町の事例ー

北海道ニセコ町でのRESAS活用事例をご紹介します。

 

ニセコ町は、パウダースノーと呼ばれる世界でも最高レベルの雪質を誇っており、シーズンにはスノーボーダーやスキーヤーが数多く訪れる地域となっています。

ニセコ町では、町の主要産業のひとつでもある観光業で本当に地域が循環しているのかどうかを検証するために、地域経済循環マップを活用しています。

町内産業の移輸出入収支、町民所得、町の財政などをチェックした結果、観光が町の稼ぎとして十分でないことが分かり、地域唯一プラスの移輸出入収支である農林水産業に着眼し、地元の農林水産物を活用して「食」の魅力による町内観光消費を増やしていこうという目標になりました。

多種多様な農産物があることが強みであるニセコ町。

食の拠点である道の駅はウインタースポーツの旬である冬季の集客が少ないので、町内の飲食店数の増加と周遊性向上を施策に盛り込んでいくことを決定しています。

 

その上で、

・道の駅から冬季の食を観光客へ届ける

・飲食店数を増加させ、食材と観光客を飲食店に集める

・公共交通を最適化させ、観光客の周遊性を向上させる

という方針で取組を進めました。

4.まとめ

RESAS(リーサス)は地域経済分析システムという意味で、地方自治体の職員の方はもちろん、民間事業者の方のビジネスにも役立ちます。

さまざまな種類の細かいデータがあり、直感的な施策ではなく数値に基づいた的確な施策を打ち出すことができるので、皆様の業務に活かせるのではないでしょうか?

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